複数人での依頼の時のお願い

お願いというより願望です。
基本的に複数人の依頼は積極的には請けていません

手間やかかる時間が段違いになることが大半だからです。無料で請けるのはここまで、と決めている範囲を超えてしまうことが大半だから。

手持ちの案件の状態によるので絶対に請けるものではないことを予めご了承ください。

例えば、AさんとBさんという方がいらっしゃったとします。
二人は大変仲が良く、今度一緒に歌ってMIXというものを依頼してみよう、ということになりました。

皆さんはこのあと、依頼するまでにどのようにするのでしょうか。
各々録音して、ひとつのフォルダに纏めMIXする方に依頼をする、のは当然としてそれまでの方法の話です。

以下はあくまで理想のお話で、私ならこうするかな、というものです。
途中説明を入れながら書かせていただきます。
例としてスマートフォンとしていますが、IF等機材があっても大体同じです。

AさんとBさんに戻りましょう。
説明のために二人は女性ということにします。
彼女たちは、スマートフォンを所持しており、IFや録音用のマイクは持っていなかったとします。

A「スマホは何を使ってるの?」
B「iPhoneだよ、Aさんは?」
A「私はandroidの機種だよ」
B「そっか、じゃぁ録音した時の音が違うかもしれないね」

機種によって、撮れる音は違うものです。
経験上、iPhoneは撮り方がきちんとしていれば、比較的MIXに耐えられる音質で撮れることが多いです。
対してandroidの機種は沢山ありますが、高域がザラザラしたり音質的に望ましくないことが多いです。
ですから、お互いが機種と音の違いを何となく認識してくださっていると先ずはとても助かります。
同じOSでも物が違えば同じ音にはなりませんし、カバーの有無や使う周辺機器などで音が変わることもあるのでご注意ください。

A「それなら、まず少しだけ歌ってどんな音か比べてみない?」
B「そうしようか、聞いてみて出来るだけ音が似ていたほうがいいよね」

その通りです。
複数人で歌う場合に特に大きな問題になるのは、音質差。
タイミングや音程などは、最悪頑張れば修正可能ですが、音質差は違います。
差があればあるほど埋め辛くなります。
片方がIF有で片方がスマホだったりすると、スマホの録音の子が明らかに分かる程音が悪いことが分かります。
それは頑張っても埋めきれない事が多いのです。
せっかく一緒に歌うのに、音質の差が明らかになってしまうのは少し悲しいかな、と思います。

B「撮ってみたけど、音がずいぶん違うね」
A「そうだね、どうやって撮ったの?」
B「スマホを口くらいの高さに置いて、口からこのくらいの距離で撮ったよ」
A「そっか、私はスマホを手に持って、口からこのくらいの距離だったよ」
B「じゃぁ、私はAさんが撮ったようにもう一度撮ってみるね」
A「私はBさんの方法で撮ってみるね」
B「お互い撮ってみてそれからまたすり合わせてみようか」
A「そうだね、一緒に流してみて、音程とタイミングのズレがないかも確認しようね」

もしもこうなったらとてもありがたいです。
あくまで理想ではありますが、何度か試行錯誤していただけたらより良い物が作れるのではないかなと。

この人の音は綺麗だな、と思ったら環境や方法等を聞いて、その音に合わせることを目指して録音すれば少しでも音質差が埋められると思います。
個人の作品の際にもその経験は生きてくると思います。
折角一緒に歌うのですから、色々お話しするきっかけにもなりますし、良い作品にするためにも役立ちます。
但し、プライベートもあると思うので差し支えない範囲で。

スマートフォンを手に持って録音するのは手と擦れるノイズが入るため遠慮願いたいですが、
複数人居る場合に方法等を聞くべき人はだれか。という場合。
素の音を聞いた時に、
・音が変に響いてない(部屋鳴りが少ない)
・ノイズが少ない
・ポップノイズ(息のかかる音)がない
・リップノイズ(口を開閉したりした時の水音のようなもの)が少ない
・音が小さすぎたり、割れたり大きすぎたりしない
・カラオケと流した時にタイミングがきっちり合っている
・音が篭ったりせず通って聞こえる

他にもいろいろあるものの、簡単に判断できそうなのはこのあたりでしょうか。

簡単に、上記の内容で改善出来る点、気を付けると良い点などを記載します。

◆音が響かない
→どんな部屋か(広さ、カーテンの有無や洋室和室等)
柔らかいものが多い部屋のほうが響きづらいです。

◆ノイズが少ない
→エアコンや扇風機、周辺の電子機器や蛍光灯や生活音や衣擦れ、イヤホンの線が擦れる音等
ノイズは色んな原因があるので難しいですが意識すれば除けるものは多いです。
場合によってはどんなノイズか聞かせていただければ、原因を答えられる時もあります。

◆ポップノイズ
→マイクに息が掛からないよう対策
具体的にはポップガードの使用やマイクを口より少し上にするなどがあります。
ポップガードは買わなくてもハンガーとストッキングなどで自作したものでも最初は良いです。

◆リップノイズ
→個人差があります。
こまめに常温の水を飲んだり事前に歯磨きをしたりで軽減できることもありますが個人差があります。
甘い飲み物は避けたほうが無難です。リップノイズが増える可能性が高いです。

◆音量
→どんなソフトでどのような設定で撮ったのか、マイクと口の距離等聞いてみましょう

◆タイミング
→ズレないためにどのようなことを気を付けているのかなど。
これは音質と同時にとても大切なことなので、ズレがあまりないように撮った音をいただけたらとても助かります。
音程を合わせるより、言葉が短い長いで変更する場合こちらのほうが大幅に音質が劣化します。

◆音が篭っていない
→マイクと口の距離を確認しましょう
マイクに近ければ低音を良く拾い篭りやすくなります。
逆に遠ざければ篭りにくくはなりますが、高音が煩くなることもあります。
これは特に大きな差がないよう調整しておいてくれると助かります。

こちらとしても、本当はどちらも同じように綺麗にして差し上げられるならば、そうしたいのです。
ですが、もともとの音質や音の傾向がかけ離れていると私ではその差を埋めることは、とても難しいです。

綺麗な方の音を、音質が悪いほうに合わせるように荒らすこともありますが、それにも限度があります。
最初に音質差がある場合は、差がはっきりと出てしまうことがありますがいいですか?と問い合わせに関しては答えていますが、同じように出来たらいいな、と願うばかりです。

せっかく人と一緒に歌うのですから、楽しみながら音のすり合わせをしていただけたら、私個人としては大変うれしく思います。

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